リーフチェック田辺 (紀伊半島) (2009) 調査結果

調査地点名紀伊半島 田辺 西崎サンゴ (和歌山県)
調査日2009/5/31
チームリーダ冨弥充
チーム科学者深見裕伸
開催者なみよいくじら
スタードルフィンズ
コーラル・ネットワーク
参加人数15人
水深5m
10m
月齢6.6
潮名中潮
天候
気温24℃
水温海面23℃
-3m23℃
-10m23℃
透視度
岸からの距離2.7km
河口からの距離4km
河口の幅11-50m
集落からの距離5km
集落の人口70000人
底質合計平均標準偏差
ハードコーラル11328.253.09670.625
7919.757.18249.375
ソフトコーラル0000
0000
最近死んだサンゴ411.1552.5
10.250.50.625
富栄養化の指標となる海藻61.51.7323.75
10.250.50.625
海綿類0000
10.250.50.625
338.253.77520.625
7819.56.60848.75
0000
0000
0000
0000
シルト0000
0000
その他411.4142.5
0000
魚類調査合計平均標準偏差
チョウチョウウオ類174.250.5
153.751.708
イサキ類(コショウダイ類)000
000
フエダイ類000
000
サラサハタ000
000
ハタ類(30cm以上)000
000
メガネモチノウオ000
000
カンムリブダイ000
000
ブダイ類(20cm以上)000
000
ウツボ類000
20.51
無脊椎動物調査合計平均標準偏差
オトヒメエビ000
20.51
ガンガゼ類6315.7511.236
60156.683
パイプウニ000
000
シラヒゲウニ000
10.250.5
ナマコ類000
000
オニヒトデ000
000
シャコガイ類000
000
ホラガイ000
000
イセエビ類000
000
被害・ゴミ調査合計平均標準偏差
アンカー被害000
000
ダイナマイト被害000
000
その他の被害000
000
魚網屑000
000
その他のゴミ000
000
コメント5mラインでは、2005年の冬に、低水温のため多くのサン ゴが死滅し、2004年に80%あったイシサンゴの被度が、 2005年には40%ちかくまで減少した。その後毎年の調査 で徐々に回復していることが見られ、今年とうとう70%にま で回復した。この回復は、サンゴの生育が順調であり、周囲の 環境が悪化していないことを表している。また、ここ数年黒潮 が蛇行せず和歌山沿岸に接岸しているため、冬季の水温がさほ ど低下しないことも大きく影響しているのだろう。この70% という数値は昨今沖縄方面でのサンゴ礁が壊滅的な打撃を受け 被度が下がっていることを考えると、非常に高い数値である。 一方、昨年の調査から増え始めているシロレイシガイダマシな どのイシサンゴを食べる巻貝の影響が心配されたが、ライン上 ではその影響はみられず、ライン外でも目だった様子は見られ なかったことから、現時点での影響は少ないと思われる。ただ 、今後注意が必要だろう。
魚に目を向けると、スズメダイなどの熱帯系の種も多く見られ た。2004年の調査ほどではないが、これも黒潮が接岸して いる影響だろうと思われる。また、無脊椎はそれほど変化がみ られず、一定の数を保っていた。

5mラインが、テーブルサンゴの群落である一方で、10mラ インでは、塊状や被覆状のサンゴが多く見られる。ただ、10 mラインでは、年別にそれほど顕著な変化は見られなかった。 深いところでは環境が浅瀬ほど変化しないことがその原因であ ろう。

まとめ
浅いところでテーブルサンゴ群集の回復が顕著に見られたこと から、今後も順調に回復していくと考えれる。台風や寒波、さ らには巻貝による食害がなければ、来年には2004年と同等 のレベルまで回復するだろう。ただ、2005年の2月ごろに 多くのサンゴの死滅が観察され、ここまで回復するのに4年も の年月を要していることを覚えておく必要がある。
ここのサンゴ群集はおそらく日本最北端のテーブル状サンゴの 大群落であり、今後このリーフチェックにより現状を把握して いくことは大きな意義があると思われる。


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