リーフチェック小浜北 (2008) 調査結果

調査地点名小浜島 小浜北 (沖縄県)
調査日2008/6/8
チームリーダ野口定松
チーム科学者佐藤崇範
開催者ダイブサイト・ノ口
コーラル・ネットワーク
参加人数8人
水深3m
6m
月齢4.3
潮名中潮
天候
気温30℃
水温海面27℃
-3m27℃
-10m27℃
透視度30m
岸からの距離1km
河口からの距離nonkm
河口の幅nonm
集落からの距離2km
集落の人口500人
底質合計平均標準偏差
ハードコーラル9824.53.51261.25
92231.41457.5
ソフトコーラル0000
10.250.50.625
最近死んだサンゴ20.511.25
0000
富栄養化の指標となる海藻0000
0000
海綿類0000
0000
5814.53.41636.25
64162.30940
10.250.50.625
0000
10.250.50.625
30.750.9571.875
シルト0000
0000
その他0000
0000
魚類調査合計平均標準偏差
チョウチョウウオ類410.816
235.753.304
イサキ類(コショウダイ類)000
000
フエダイ類000
000
サラサハタ000
000
ハタ類(30cm以上)000
000
メガネモチノウオ10.250.5
000
カンムリブダイ000
000
ブダイ類(20cm以上)51.250.5
61.51.732
ウツボ類000
000
無脊椎動物調査合計平均標準偏差
オトヒメエビ000
000
ガンガゼ類000
000
パイプウニ000
000
シラヒゲウニ000
000
ナマコ類000
000
オニヒトデ000
000
シャコガイ類20.51
10.250.5
ホラガイ000
000
イセエビ類000
000
被害・ゴミ調査合計平均標準偏差
アンカー被害000
000
ダイナマイト被害000
000
その他の被害000
10.250.5
魚網屑000
10.250.5
その他のゴミ000
000
コメント・3mライン
今回の3mラインのハードコーラル占有率(HC)は61.3%であり、比較的高い被度であったが、前年度(2007年6月9日;76.9%)と比較して15.6ポイント減少していた。ハードコーラルが減少した分は、ほぼ岩の割合の増加分となっていた。本調査時期中に白化していた群体はみられなかったが、調査測線の周辺でホワイトシンドロームと思われる病気が複数の卓状ミドリイシで観察された。
魚類に関しては、全ての魚種で出現数の大きな変化はみられなかったが、これまで調査測線上ではみられなかったメガネモチノウオが1個体カウントされた。無脊椎動物に関しても、全ての種類で出現数の大きな変化はみられず、シャコガイ類が2個体確認されたのみだった。
ハードコーラル占有率の低下に関しては、昨年度の調査後、2007年夏期に八重山周辺海域で大規模な白化が確認され、特に白化後のミドリイシ類の死亡率が高かったことが原因と考えられる。なお、「最近死んだサンゴの割合」が低下したサンゴ被度分を満たすほどでないのは、昨年の夏期に白化後死亡したサンゴの判定が6月の調査では困難であったことが主な理由と考えられる。

・6mライン
今回の6mラインのハードコーラル占有率(HC)は57.5%であり、前年度(2007年6月9日;68.1%)と比較して10.6ポイント減少していた。また、ソフトコーラル占有率(SC)は0.63%であり、前年度(2007年6月9日;6.25%)と比較して5.62ポイント減少していた。ハードコーラル及びソフトコーラル類が減少した分は、ほぼ岩の割合の増加分となっていた。本調査時期中に白化していた群体はみられなかったが、調査測線の周辺でホワイトシンドロームと思われる病気が複数の卓状ミドリイシで観察された。
魚類及び無脊椎動物の出現状況は、大きな変化がみられなかった。
ハードコーラル及びソフトコーラルの占有率の低下は、3mラインと同様に、昨年度の調査以降に起きたサンゴの白化による影響が原因と考えられる。なお、3mラインと比較して、ハードコーラルの減少ポイントが少なかったのは、水深が深いことによって、高水温や強い紫外線などのストレス要因が若干抑えられていたためと考えられる。

総評
今年の小浜北RCは、参加人数は多くなかったもののRC経験者の割合が多かったため、比較的スムーズに実施できた。しかし、今後継続的にRCを実施していくためには地域住民の参加者を増やすことが重要であると考える。
八重山地域全般でみると、2007年夏期から冬期にかけて、サンゴ白化、台風、オニヒトデ増加と様々なサンゴ群集への攪乱が連続的に起こったことで、ハードコーラルの占有率が大幅に低下している海域が多い。しかし、今回の調査から石西礁湖北側の礁斜面は比較的被害が少なかったと考えられる。今後も様々な攪乱要因によって、サンゴ群集はダメージを受けることが考えられるため、本調査海域のように比較的良好な状態を保ったサンゴ群集を調査し、保全していくことがより重要となると考える。


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